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話題16 | ■林林先生の作品紹介  今田莵庵 2007/1/14(日)06:33返事 / 削除

漢俳詩刊
 紹介します
 湖南省益陽市の「漢俳詩刊」(段樂山主編)の中に林林先生の『早市写真』九首連作がありました。これはなかなかの傑作です。中国人の作る漢俳は、その殆どが詩の延長線上のもので、このように俳味を理解した作品は殆どありません。此処に掲載して読者の参考に供します。

早市写真     朝市の真相 林 林
           日訳・今田菟庵

食品擇両旁    食品を提げ
顧客擁擠走中央  客は行く 市のなか
総為肚子忙    総ては 肚の忙しきため

争売的◇喝    売る叫び
高低声調交響樂  高低まさに 交響楽
反映了生活    これ生活の 反映なるぞ
◇=口+幺。

忽然夏雨降    忽然と 夏の雨降り
忙把五花傘◇開  五花の傘 咲くも忙し
緊張得△▽    緊張いっぱい
◇=打−丁+掌。△=句+多。▽=口+厄。

鳥鶏籠里叫    にわとりは 籠に叫べど
一下熱湯鳴呼了  熱湯の 一かけにやみ
手快毛抜掉    毛はむしらるる

没有絞肉機    ミンチ機が無くて
双刀上下肉成泥  双刀 泥と成る
価銭還便宜    肉の値段は更に安く

屠家生意経    屠者の意気
双手磨刀斬骨声  双手にて骨 斬る声の
戦台的表情    表情はこれ 戦場のもの

鯉魚活是真    鯉活きて
還在盤中往外跳  盤中更に跳ねとぶを
賣時去掉鱗    売るとき 鱗ふるいて落とす

且停方便面    停りては
有魚有肉有鶏蛋  魚有り 肉有り 卵有り
由◇随心選    選ぶは君が み心のまま
◇=イ+尓。

嘴◇手也◇    口賤し 手もまた賤し
菜籃子装得満満  満々の 買物籠の
好吃頓美餐    美食好ろしも
◇=打−丁+免+免



看“林林先生的『早市写真』”
林林先生の『朝市の真相』を読む  今田菟庵

早市老林眄    朝市を にらむ老林
健啖驚吾詩愉吾  その健啖 驚き願ふ
念願排非典    SARS 排けよと
註:非典=非典型肺炎(SARS)。

( 俳句・詩詞・絵画に奮闘中 / )


投稿2 | ■漢俳と俳味 今田莵庵 2007/1/14(日)06:36返事 / 削除

 長沙市の段落三先生より送られた漢俳詩集の中より俳味の感じられる作品を選び出し、ご披露しよう。
漢俳日譯
蒲公英(タンポポ)
代代教子孫,各持飛傘出家門,風雨找生存。
代代子孫に教う,各おの飛傘を持って家門を出で,風雨に生存を找す。

野菊花
金黄野菊花,燦然秋暮満籬笆,清淡落農家。
金黄の野菊の花,燦然として秋暮籬笆を満し,清淡農家に落つ。

指甲花(ほうせんか)
落地種生芽,品色繁多爛漫花,果熟各分家。
地に落ちて種は芽を生じ,品色繁多 爛漫の花,果熟すれば各おの家を分つ。

牽牛花(あさがお)
柔柔靱靱行,絲絲縷縷度平生,牽牽念念情。
柔柔靱靱たり,絲絲縷縷として平生を度る,牽牽念念の情。

油菜花
春畦油菜花,金黄明麗粋無瑕,朶だ不朱華。
春畦油菜の花,金黄明麗粋にして瑕無なし,朶朶の華は朱からず。

( 葛飾吟社会員 / )


投稿1 | ■漢俳詩刊への掲載 中山逍雀 2007/1/14(日)06:34返事 / 削除


 此の小論を《漢俳詩刊》へ掲載したいとの要請を受けました。2003・3 號へ掲載されることとなりました。
《漢俳詩刊》
社長  湯文斌
副社長 董艶
主編  段樂三
副主編 黄明燦
事業主体
青島金豊源電力設備有限公司 

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